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2016年12月31日

2016年、こんなの書きました。

 今年(2016年)も、あとちょっとで終わりです。この1年間に、こんなものを書きました。
① “Shark Town: Kesennuma’s Taste for Shark and the Challenge of a Tsunami,” in Lum, Casey Man Kong and Marc de Ferriere le Vayer eds., Urban Foodways and Communication: Ethnographic Studies in Intangible Cultural Food Heritages around the World, Lanham: Rowman and Littlefield, 238pp., pp. 71-85.
②「ナマコとともに──モノ研究とヒト研究の共鳴をめざして」,秋道智彌・赤坂憲雄編,『人間の営みを探る』,フィールド科学の入口,玉川大学出版部,全224頁,114-148頁.
③「ケーススタディ・ナマコ」,中野秀樹・高橋紀夫編,『魚たちとワシントン条約──マグロ・サメからナマコ・深海サンゴまで』,水産総合研究センター叢書,文一総合出版,全224頁,187-199頁.
④「食足りて、○○を知る」,シノドス,国際,http://synodos.jp/international/17770,2016年8月25日.

 で、近日中に以下が出ます。
⑤『鯨を生きる──鯨人の個人史・鯨食の同時代史』,吉川歴史文化ライブラリー,吉川弘文館.
⑥「終焉なきフロンティアとしての漁業」,井上真編,『東南アジア地域研究3 環境』,慶応大学出版会.
⑦「マレー世界のなかのフィリピン──スペインがスルー諸島にナマコをもとめた理由」,大野拓司・鈴木伸隆・日下渉編,『フィリピンを知る64章』,明石書店.
⑧「「おきひゃく」の遺産と未来」,内藤直樹・亀井伸孝編,『PBL教育のアートとデザイン──フィールドワークへの誘い』, ナカニシヤ出版.
⑨ “Living in the gray zone: Towards constructing a holistic integrity of human-nature relations,” Graduate School of Social Sciences, Hitotsubashi Univ..
 
 本数で言えば、少なかった1年でしたが、7年ぶりの単著となる⑤の執筆に歩きまわった年でもありました。その意味では、充実した1年でした。本書は捕鯨関係者の個人史の採録・編集にはじまり、明治以降の近代捕鯨の歴史を俯瞰するという企画です。捕鯨については、前作の『ナマコ』を書く過程で、1970年代以降の環境主義の時代を振りかえる際に、きちんと勉強してみたいと感じた課題でした。ナマコとクジラでは、その大きさは当然のこと、文化的・経済的な位置づけもことなれば、政治的な関心もことなっています。
 捕鯨といえば調査捕鯨ばかりが脚光を浴びますが、本書では、「捕って売る」という商業捕鯨(の時代)に焦点をあて、「わたしたちが、いかにクジラを消費してきたのか」、その歴史を、高度経済成長という、わたしたちの生活様式の変遷とからめて考察してみました。便利で快適となったわたしたちの生活の背景で、どのような社会の変化があったのでしょうか?
 書店にならぶのは、2017年2月末を予定しています。いわゆる「捕鯨問題」は、袋小路にはいりこんでいるように見受けられます。それは、政府だけの問題ではなく、わたしたちのおおくが無関心であることにも起因しているように感じています。拙著への批判はもちろんのこと、ひとりでもおおくの人びとが「捕鯨問題」について関心をもってくれ、すこしでも賛否の議論が深まってくれれば、と考えています。


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Posted by 赤嶺 淳 at 17:12│Comments(0)研究成果
 
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