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2017年02月21日

『東南アジア地域研究入門』が刊行されました。

『東南アジア地域研究入門』が刊行されました。

 慶応義塾大学出版会から3巻本のシリーズとして『東南アジア地域研究入門』が刊行されました。わたしは、第1巻『環境』の6章に「終焉なきフロンティアとしての漁業」という原稿を寄稿する機会を得ました。
 
 フロンティア論は、わたしが日本学術振興会の特別研究員をしていた90年代後半に京都大学の東南アジア研究センター(現東南アジア地域研究研究所)を中心に、東南アジアを理解するキー・タームとして議論されていたものです。東南アジアでは、生態資源や就業機会をもとめて、辺境部や都市へ人口移動が頻繁に繰り返される現象に着目した枠組みです。近年、あまり触れられることのない「フロンティア論」ですが、グローバル時代に常態化した人口とモノ(資源)の移動を念頭に、あらためてその有効性を再検討してみようと考えた訳です。そのため、今回は、1970年代から現在までに発表された東南アジアの漁業に関する主要著作を「フロンティア」という観点からレビューを試みました。

 シリーズの監修者は山本信人さん、第1巻の編者は井上真さんです。共著者は、柳澤雅之さん、古澤拓郎さん、小泉都さん、横山智さん、岡本郁子さん、佐藤仁さん、藤田渡さん、笹岡正俊さん、生方史数さん、内藤大輔さん、百村帝彦さん、原田一宏さん、寺内大左さん、山本博之さんのみなさんです。ほとんどが同世代ですが、なかにはわたしよりも若い研究者もいます。

 わたしが大学院生だったころ、弘文堂から『講座 東南アジア学』全11巻が刊行されました。あの頃はバブル期だったということもあり、「出版も元気だったなぁ〜」とつくづく感じさせられます。否、「東南アジア研究自体が元気だった」とも言えるでしょう。わたしが、『講座 東南アジア学』で学んだように、今回の3巻本シリーズで「東南アジアについて学んだ」という世代がつづくことを願っています。


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Posted by 赤嶺 淳 at 17:46│Comments(0)研究成果
 
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